因縁のボーイミーツガール。田島列島『水は海に向かって流れる』全3巻。
田島列島『水は海に向かって流れる』全3巻を読みました。
- 作者:田島列島
- 発売日: 2020/09/09
- メディア: コミック
全3巻一気買い。
あらすじ
実家を出て叔父の家で暮らすことになった高校生の少年・直達を迎えに来たのは叔父ではなく同居人の女性・榊さんだった。
そんな始まりで直達は叔父の住むシェアハウスで暮らすことになる。
シェアハウスの住人は、漫画家の叔父、26歳OLの榊さん、女装家の占い師、世界中を飛び回る大学教授と個性派揃い。
しかも直達と榊さんの間には因縁があった。
昔、直達の父と榊さんの母がW不倫の果てに駆け落ちしていたのだ。
駆け落ちは上手く行かなかったのか直達の父はすぐに家に戻ってきたが、榊さんの母はそれきり戻らなかった。
榊さんは母親への愛憎から一生恋愛はしないと心に決めていて……。
感想
直達はだんだんと榊さんに惹かれていくんだけど、榊さんのトラウマは根深い。
「怒ってもどうしょもないことばっかりじゃないの」と達観する榊さんの背負う何かを「半分持ちたい」と言う直達。
美しいボーイミーツガールの物語。
年上の人に太刀打ちできない感じ、それでも一矢報いたい感じ、もう痛いほどわかる。
真剣さがあしらわれて伝わらないのって本当にもどかしい。
大人だからとか子どもだからとかそういうのはいいから、まずは素直に話を聞いてくれよ!って思うのよね。
直達がんばれ!!!
学校一の美少女・泉谷さんを振ったからには自分の恋愛はせめて成就させてくれ!
直達は自分を冷たい人間だと言ったけれど、例えそうだとしても榊さんの呪いを解くためには必要な冷たさだったのだと思う。
相合い傘をして歩いた日の雨があの日の海につながって流れていったのかな。
年の差はあるけど二人には幸せになって欲しいね。
ほいたら、バイぜ!