続編を心から待ち望んでるシリーズ。胸熱ギャンブル漫画・福本伸行『銀と金』
絵が上手、ストーリーが面白いといった優れた漫画家の特徴の中でも、わたしが重要視しているのは、「一目で作者がわかる絵柄」です。
絵を見てすぐに作者が分かるような、他の追随を許さないオリジナリティを持った絵柄の漫画家が好きなナツキですこんばんは。
唯一無二すぎる漫画家・福本伸行!
さて、そこで福本伸行ですよ!
誰にも真似できない(誰も真似しない)、一度見たら脳裏にこびりついて離れないあの絵。
尖り続ける鼻と顎!チーバくんも真っ青のなにがなんだかわからない横顔!
「ざわざわ……」「ぐにゃぁああ」を始めとした味のある擬音と描き文字の数々!
もちろん絵だけではなく、ストーリー展開は手に汗握り、トリックやギミックの解説シーンは常に爽快。
そんな福本作品の中でも、一番好きなのが『銀と金』です。
最近新装版が出ました。
↓わたしが持っているのはこの文庫版。
我が家で一番格上の本棚であるトイレ本棚の一番良い場所に鎮座しています。
- 作者:福本 伸行
- 発売日: 2010/11/01
- メディア: 文庫
『銀と金』は、銀さんと森田の蜜月ストーリー。
『銀と金』は、ギャンブル大好き無一文の森田鉄雄が、「銀王」と呼ばれる闇社会のフィクサー・平井銀二に競馬場でナンパされ、裏社会に足を踏み入れるという話。
銀さんは相棒となる器の男を探していて、なぜか森田に目をつけるのです(目をつけた理由は伏線になっているけど回収されてないので不明)。
森田はいわゆる「もってる男」。
運と勘とセンスでピンチを次々と切り抜け、銀さんの期待に応える働きをします。
そんな森田に銀さんはメロメロ。全幅の信頼を寄せるように。
このふたり、ラブラブである。
原作ですらこの調子なので、腐った方の世界の一部でも人気です。
このあたりは、二次創作の銀さんと森田で想像を膨らませたいところですね。
森田鉄雄 (もりたてつお)とは【ピクシブ百科事典】
銀と金 (ぎんときん)とは【ピクシブ百科事典】
pixivの森田、かっこよすぎてやばいですよ。
麻雀ばっかりやっている『アカギ』とは違い、『銀と金』ではいろいろやってます。
株の仕手戦、殺人犯の見張り、絵画ブローカーとの鑑定勝負、イカサマお坊ちゃんとの賭けポーカー、変態金持ちとの地下麻雀、政治家との騙し合い、復讐の鬼との肉弾戦、300億を賭けたサシ競馬などなど。
まー、これが一つ一つ全力で面白い!(競馬編はちょっとアレだけど)
ストーリーが進むに従って、銀さんと森田のラブラブっぷりも増していき、この二人が闇社会を牛耳る日も近い!と思っていた。
が、しかし!
蜜月の終わり……そして
諸々の事件や勝負を乗り越え、闇社会で生きていく決意をし「銀を超える金と呼ばれる人間になりたい」とか言ってた森田ですが、とある事件の後、金と権力と陰謀にまみれた裏社会に嫌気がさして引退。物語からも消えてしまいます。
ちょ、森田!!!
読者と登場人物の心が一体となった瞬間です。
一緒に夢を追いかけていたはずの森田に振られた銀さんの魂の抜けっぷりときたらね……超萌える。
森田が去ったあたりからもう打ち切りが決まっていたのかどうなのか、あらゆる伏線を放棄して、この漫画は消化不良な感じで終わっています。
ある老人の資本ってなんだったのーーー!!
『銀と金』、わたしが続編を心から待ち望んでる一作でございます。
ちなみにOVA版では、銀さんが中条きよし、森田鉄雄が豊原功補、川松良平が金子賢というたまらない配役となっております。
豊原功補も金子賢も大好きなので、いつか全巻揃えたいと思う。ほいたら、バイぜ!